前回の記事では、非同期的コミュニケーションツールとしてのメールとチャット、そのメリットとデメリットについて考えました。
今回の記事では、同じく非同期的コミュニケーションツールであるプロジェクト管理ツールについて、導入するメリットや困りやすいポイントの紹介・導入前の疑問などにお答えします。
プロジェクト管理ツールって一体何ですか？
プロジェクト管理ツールとは、プロジェクト概要・作業内容や進捗、タスクなどをとりまとめ、個人やチームでのプロジェクトやタスクの管理が行えるツールです。情報やファイルなどを全員で共有し、非同期的にコミュニケーションを取ることができます。
主な機能としては、このようなものがあります。
- プロジェクトの進捗が見える化できる
- ガントチャートが使え、スケジュールを見える化できる
- 今あるタスク・これからのタスクと担当を見える化できる
- 課題へのコメントができる
- ファイルの共有とコメントをまとめて共有できる
- 各種ツールとの連携ができる
代表的なツール
プロジェクト管理ツールを利用することで、解決する困りごと
プロジェクト管理ツールを使わない場合、代表的なツールである、メール・チャット・エクセルなどのアプリケーションを使ったプロジェクト管理を行うことになります。それぞれのツールならではの困りごとを、どう解決するかをご紹介します。（プロジェクト管理ツールとしてBacklogを例に上げます。）
メールを利用する場合
メールを利用する場合には、メールが見つからなくなる、流れをひと目で把握することが難しい場合があります。担当者が増えたり引き継ぎを行う際に、これまでの流れを説明したりする手間がたくさんかかることになります。
検索機能や課題毎の一覧性がプロジェクト管理ツールの良いところです。課題ごとに期限や担当が設定でき、ガントチャートの形式で表示するような機能もあります。
チャットを利用する場合
チャットを利用する場合でも、メールと同じように、メッセージを見逃してしまうことが起こりやすくなります。流れるようにコミュニケーションをできる一方で、情報を一つのところに蓄積しておけない側面もあります。
プロジェクト管理ツールでは、1課題1トピックスなどのルールを明確化することで、課題の流動を分けられるので、それぞれの情報を追いやすくなります。
エクセルなどのアプリケーションを利用する場合
情報をまとめるときに、エクセルなどを使うことがあります。ガントチャートを作ってスケジュールを作ること・タスクの進捗管理をすることなどができます。しかし、タスクの担当者が変わった場合や、ファイルが更新されたり変更があった場合に、それらを全員に共有したり、適切にバージョンを管理したりすることは、管理をする人の手腕に依存します。
プロジェクト管理ツールでは主にクラウド上に、情報が一括保存されており、そこを介して共有されるため、共有するための手間が大幅に減ります。
プロジェクト管理ツールを上手に使いこなしたとき、さらに、こんないいことがあります
次に、プロジェクト管理ツールを使った場合のことを考えてみましょう。プロジェクト管理ツールを上手く使うことで、あるあるな困った状況の対策ができ、プロジェクトがスムーズに進む可能性があります。
情報がひとつのところにまとまる
「マニュアル、どこにあったっけ？」
プロジェクトの概要、会議の議事録やマニュアルといった文書・ファイルなど、情報を一つのところにまとめ、さらに全員で編集して使うことができます。情報やファイルの受け渡しの手間が少なくなり、主にはURLを共有するだけで円滑に業務を進めていけそうです。
プロジェクトの進捗がひと目でわかる
「何がどこまで進んでいるんだっけ？」
タスクが見渡せるので、どのタスクがどういうステータスになっているかが一目瞭然です。たびたび、進捗確認会議を行う必要がなくなり、時間を有効活用できます。
課題の担当者が明確になる
「これは誰がやるんだっけ？」
タスクには担当者が設定できます。だれがどのタスクを担当しているかがわかることと、タスクが宙ぶらりんになったり、誰かに負担が大きくのしかかったりすることが減っていきます。
いかがでしょうか。プロジェクト管理ツールの便利さが伝わっていればよいのですが。すくなくともmgnでは、業務を進めるうえで、とても重要なツールの一つです。
ただ、普段から導入されてないチームであれば、導入が簡単ではない、苦労が多いということもわかります。
導入する前後の困るポイント
プロジェクトの管理がスムーズになり、業務が効率的に行えるとなれば、是非職場に導入したいところです。しかし自分ではいくら便利だと考えても、それを上司や同僚に伝えて同意を得るのが難しい場合もあります。
確実に業務遂行がスムーズになるということ、またコストパフォーマンスが向上することについて説明を行わなくてはなりません。それらが導入を勧めた人ひとりにのしかかるリスクがあると考えると、一人だけで行うには大変そうで、二の足を踏んでしまいそうです。
導入が決まったあと、待っているのは社内への浸透と実際の運用です。この両方のポイントで苦労があるのは困ったことですね。
新しいツールをいちから覚えるのは大変…
新しく導入したシステムの使い方をいちから覚えるのは大変です。なかには、肌に合わずうまく使えないケースが出てくることがあります。
昔からのやり方を変えるのは大変…
運用ルールについても新しく定めることになるので、これまでのメールやエクセルで行っていた管理に慣れてしまっていると、ハードルを感じることがあるかもしれません。
いずれにしても、手間と時間がかかりますが、社内でレクチャーを行うなどの対策が必要になりそうです。
今でもうまくいっていると思うけど、ツールを導入したほうがいいですか？
メールとエクセルを使ってる今でも、プロジェクトの全体を把握するのにさほど苦労はないと感じる人もいるでしょう。ただ、そういった場合は管理をしている担当者が、関係各所への連絡や、ファイルの更新などのプロジェクト管理に多く時間を使っている可能性があります。
そのプロジェクトの管理のためだけに、どなたかすごく時間をかけられている方はおられませんか？そしてそれを当たり前の業務のように扱う風潮はありませんでしょうか？
プロジェクトの管理自体をツールを利用して行うことで、担当者本人がプロジェクトの管理に時間を多く使うのではなく、プロジェクト自体にもっと集中できる環境になる可能性があります。これはきっと良い改善になりますよね。
まずは小さくはじめてみませんか？
それでは、実際にプロジェクト管理ツールを導入するにあたってどのように始めるとよいのでしょうか？結論から言うと、まずは、小さくはじめることをおすすめします。
無料版からはじめてみる
無料版が用意されている場合はまず無料版からはじめてみましょう。参加人数やプロジェクトの数は限定されますが、実際に導入してどうなるのかということを体験出来ると思います。
小さなプロジェクトから使ってみる
無料版の範囲内で、小さなプロジェクトから使ってみましょう。外部とのコラボレーションの場合は情報やファイルの共有を行う関係上、秘密保持契約（NDA）をむすぶことが大事です。
かならず関連URLをつける
タスクやコメントで、関連するURLがある場合には、かならずリンクを付けましょう。確認する側がわざわざ探す手間がなくなり、すみやかに状況を把握することができます。
「いいね」をたくさんつける
プロジェクト管理ツールには「いいね」をつけられるものがあります。タスクを確認しましたというお知らせや、ありがとうございます！といったお礼を簡単に意思表示することができて便利です。
定例会議を、ツールを使ってはじめてみる
まずは定例会議をプロジェクト管理ツールを使ってはじめてみましょう。議事録はWikiを使ってとってみたり、関連する資料を共有したり。定例会議上で出た議題をその場でタスク化することや、すでにタスク化されているものの進捗確認もできます。
アプリを使ってみる
モバイルアプリが配信されている場合はそれも利用してみましょう。特にモバイルについては、スマートフォンのブラウザ上から使うよりも使いやすくなっています。
いざ導入。課題を立てて、うまく使えるヒント
導入したあとで、いざ課題を立てる時に手が止まってしまうことはありませんか？運用上、迷ってしまった時には、下記のことを意識して使ってみてください。
1. 課題タイトルを「動詞」で終わらせる！
「〇〇を制作する」「〇〇を確認する」のように、課題タイトルを動詞で終わらせてみましょう。タイトルだけで、だいたい何をしたらいいかがわかりやすくなります。一つの課題につき一つの動詞を使うくらいの意識でいると、課題が立てやすくなります。
2. 担当は気軽に付け替える!
タスクに複数の人が関わる場合には、担当者を気軽に付け替えましょう。今ボールを持っている人、くらいの軽い気持ちで付け替えるのがおすすめです。
3. タスクは定期的に見直す！
タスクを進めるうちに生まれる新たなタスクや、見落としていたタスクがないか、定期的に確認する時間を取りましょう。これをすることでより一層タスク管理が漏れなく行えるようになります。
4. タスク整理係を決める！
上記のように、対応が終わっていたのに完了されていなかったタスクや、埋もれて見落としていたタスクがあった…ということがありますので、それらを整理する係の人を作っておいたほうが良いでしょう。もちろん複数人で担当してもOKです。
mgnでは導入サポートを行っています。
この記事ではプロジェクト管理ツールの導入メリットや導入する前の疑問について取り上げました。まずは小さくはじめて、一歩ずつ着実に導入し、職場に浸透させることが大事です。導入できるとプロジェクトの進捗管理や情報共有がとてもスムーズになる可能性がありますので、検討する価値があると思います。
一方で、導入前や導入後には一定の不安があり、難しそうだと二の足を踏む方もいらっしゃるかもしれません。私たちmgnは、そんな方たちの不安をすこしでも和らげ、お手伝いをしたいと考えてBacklogの導入サポートを行っています。10年以上の間、200社以上とBacklogを使ったプロジェクト管理を行ってきた経験から、導入前のご不安、導入後の運用上での問題などのサポートをすることが得意です。お気軽にご相談くださいね。
We will answer your questions about project management tools, the benefits of implementing them, and questions you may have before implementing them.
Previous Article In the following section, we considered e-mail and chat as asynchronous communication tools and their advantages and disadvantages.
In this article, we will discuss project management tools, which are also asynchronous communication tools, and introduce the advantages of introducing them, the points that can easily cause problems, and answer questions before introducing them.
What exactly is a project management tool?
A project management tool is a tool for managing individual and team projects and tasks by organizing project overviews, work details, progress, tasks, and other information. Information and files can be shared among all members and communicated asynchronously.
The main features include.
- Project progress can be visualized.
- Gantt chart can be used to visualize the schedule.
- Can visualize current and future tasks and responsibilities
- Able to comment on assignments
- Files can be shared and comments can be shared together.
- Can be integrated with various tools
Typical tools
- Redmine
- Backlog
- Jira
- Asana.
Problems to be solved by using project management tools
If you do not use a project management tool, you will be managing your project using typical tools: email, chat, Excel, and other applications. We will show you how to solve the problems unique to each of these tools. (Backlog is an example of a project management tool.)
When using e-mail
When using e-mail, it can be difficult to find e-mails or to grasp the flow of events at a glance. When the number of people in charge increases or when handing over a project, a lot of time and effort will be required to explain the flow of the project so far.
The search function and listing of each issue are good features of a project management tool. Deadlines and assignments can be set for each issue, and there are features such as displaying the information in a Gantt chart format.
When using chat
Even when using chat, as with e-mail, it is easy to miss a message. While it allows communication to flow, it also has the aspect of not being able to store information in one place.
Project management tools can separate the flow of issues by clarifying rules, such as one issue and one topic, making it easier to track each piece of information.
When using applications such as Excel
Excel and other software may be used to summarize information. You can make a Gantt chart to create a schedule, manage the progress of tasks, etc. However, when the person in charge of a task changes, or when a file is updated or changed, it is up to the person doing the management to share them with everyone and keep proper versions.
Project management tools mainly store information in bulk in the cloud, through which it is shared, greatly reducing the amount of time and effort required to share it.
When you are proficient in using a project management tool, you will also be able to
Next, let’s consider what happens when you use a project management tool. By using a project management tool well, you may be able to counteract certain troubling situations and make your project run smoothly.
Information comes together in one place.
Where did I find the manual?”
Information such as project outlines, documents and files such as meeting minutes and manuals can be gathered in one place and further edited and used by everyone. It is likely to reduce the time and effort required to pass information and files around, and to facilitate business operations by mainly just sharing URLs.
Project progress at a glance
What’s going on and where is it going?”
Tasks can be viewed at a glance, so it is easy to see which tasks are in progress and what their status is. This eliminates the need for frequent progress check meetings and allows for more efficient use of time.
Clarify who is in charge of the issue.
Who’s going to do this?”
Tasks can be assigned to a person in charge. This allows the user to know who is in charge of which task, and reduces the possibility of a task being left in limbo or a heavy burden being placed on someone else.
What do you think? I hope you have found the project management tool useful. At mgn, at the very least, it is one of the most important tools we use in our work.
However, if a team has not been introduced to the system on a regular basis, we know that it is not easy to implement and that there are many difficulties.
Troublesome points before and after introduction
If it makes project management smoother and makes work more efficient, you would definitely want to introduce it to your workplace. However, no matter how useful you think it is, it may be difficult to communicate it to your superiors and colleagues and obtain their agreement.
The explanation must be given that the system will certainly make business execution smoother and improve cost performance. Considering the risk that all of this falls on the person who recommended the introduction of the system, it seems like a daunting task for just one person to carry out alone, and one might be reluctant to do so.
After the decision to introduce the system has been made, what awaits us is the internal penetration and actual operation of the system. It is troubling that there are difficulties at both of these points.
It’s hard to learn a new tool from scratch…
It is difficult to learn how to use a newly introduced system from scratch. In some cases, the system may not fit your needs and you may not be able to use it properly.
It’s hard to change the old ways…
Since new rules for operation will be established, those who are accustomed to the conventional e-mail and Excel-based management may find it a hurdle.
In any case, it will take time and effort, but it is likely that measures such as in-house lectures will be necessary.
I think it still works, but should I implement tools?
Some people may feel that even now that they’re using e-mail and Excel, they don’t have much trouble keeping track of the entire project. However, in those cases, the person in charge of managing the project may be spending a lot of time contacting all the relevant parties, updating files, and other project management tasks.
Is there anyone who spends a great deal of time just to manage that project? And isn’t there a tendency to treat it as a matter of course?
By using a tool to manage the project itself, it could create an environment where the person in charge can focus more on the project itself, rather than spending more time managing the project. This would surely be a good improvement.
Why not start small?
So how do you actually start implementing a project management tool? In conclusion, we recommend starting small.
Start with the free version
If a free version is available, start with the free version. Although the number of participants and the number of projects will be limited, you will be able to experience what it is like to actually implement the system.
Try using it for small projects
Start with a small project within the scope of the free version. When collaborating with external parties, it is important to sign a Non-Disclosure Agreement (NDA) to share information and files.
always add a related URL
If a task or comment has a related URL, be sure to include a link to it. This saves the reviewer the trouble of having to search for the URL, and allows the reviewer to quickly grasp the situation.
Give a lot of “Likes” to the site.
Some project management tools allow you to “like” a project. It is useful to let people know that you have confirmed a task, or to easily express your appreciation with a “Thank you! is a convenient and easy way to show your appreciation.
Start using tools for regular meetings
Let’s start with regular meetings using a project management tool. You can use a wiki to take minutes and share related documents. You can also create tasks on the spot for agenda items that come up during regular meetings, and check the progress of tasks that have already been created.
Try the app
If a mobile application is delivered, use that as well. Especially for mobile, it is easier to use than on a smartphone browser.
Now it’s time to introduce it. Tips for making assignments and using them well.
After introducing the system, do you ever find yourself at a loss when it comes time to formulate an assignment? If you are operationally lost, try using the following in mind.
1. end the title of the assignment with “verb”!
Try ending the assignment title with a verb, such as “produce 00” or “check 00.” The title alone will make it easier to know what you need to do. If you are conscious enough to use one verb per assignment, it will be easier to formulate the assignment.
2. feel free to replace the person in charge!
If more than one person is involved in a task, feel free to switch the person in charge. It is recommended to replace the person who is currently holding the ball with someone as light-hearted as yourself.
3. review tasks regularly!
Take time to periodically check for new tasks that arise as you go through tasks, or tasks that you may have overlooked. By doing this, you will be able to manage tasks even more effectively.
4. determine a task organizer!
As mentioned above, there were tasks that had been handled but not completed, or tasks that were buried and overlooked… so it is better to have a person in charge of organizing these tasks. Of course, more than one person can be in charge.
MGN provides implementation support.
This article covers the benefits of introducing a project management tool and questions to ask yourself before implementing one. It is important to start small, steadily introduce the tool step by step, and make it permeate the workplace. If introduced, project progress management and information sharing may become much smoother, so it is worth considering.
On the other hand, there may be some people who have certain concerns before and after the introduction of Backlog, and who hesitate to implement Backlog because they think it will be too difficult. We, mgn, are providing Backlog implementation support in order to help alleviate some of their concerns. I am good at providing support. Please feel free to contact us.
