育児と仕事の両立について、子どもが成人した今、振り返ってみた

私の現在の働き方

どうもこんにちは。50代フリーランスWeb制作者のShokoです。

mgnでは業務委託としてディレクションと経理・総務を担当しています。

平日はWeb制作、週2回夜間の専門学校講師、そして土日はベビーシッターをしております。

「少子化対策」が声高に叫ばれている昨今ですが、20年前の子育てをどんな風にしてきたか、どうやって仕事と育児を両立していたかについて、お話させてください。

月曜出勤〜土曜の午後まで帰れない職場

最初に務めたWeb制作会社は、とにかく忙しい職場でした。 自分のデスクの下にキャンプ用の寝袋を持参して、明け方まで仕事して床で毎晩眠り、目が覚めると同時にパソコンに向かう、という生活をしていました。

当時は若かったですし、大好きなWebの仕事が楽しくて、半分合宿みたいな気もちで会社に寝泊まりしていましたが、体力的・精神的にキツかったのは確かです。

当時から「そのうち独立して個人事業主になるぞ!」と思いながら働いており、「これは修行だ」と自分に言い聞かせてしました。

そして2000年前半に、独立、結婚、出産を経て「仕事&育児」の生活がスタートしました。

3歳児神話がまだ根強かった時代

今は夫婦共働きの家庭が多いですが、20年前はまだ「結婚したら仕事を辞めて専業主婦」を選ぶ人も多かった時代でした。

我が家の場合、夫は会社員で毎日出勤。私は当時まだ少数派だった在宅ワーカー。 自宅で仕事をしておりまして、保育園には生後8ヶ月から通いました。夫は比較的残業の少ない仕事だったため、かなり手伝ってくれる方だったと思います。

当初、義理の両親は、子どもを保育園に預けることに反対していました。 「3歳くらいまでは母親の元で育つべき」という考え方がまだ根強かった頃です。いわゆる3歳児神話ってやつですね。 「保育園でいろんな子どもや大人と接した方が、社会性が育つ」などと言って説得した記憶がありますが、いざ通い始めたら、保育環境が良好でしたし、すぐに納得してくれました。

子どもを保育園に預けることに罪悪感を感じていた日々

Image by Adobe Firefly

初めて保育園に預けた日の朝、駅前のコーヒーショップに駆け込んで飲んだコーヒーの味を忘れません。常に子どもの様子に目を配り、気を張って過ごしていた生活の中「ひとりで、お店で、ゆっくりコーヒー飲めるなんて!」とめちゃくちゃ嬉しかったです。

ある日、打合せがあって駅周辺を日中歩いていた時に、午後番の保育士さんと道でバッタリ会ったことがありました。ニッコリ挨拶して別れただけでしたが、その時私が心の中で思ったのは

「ひ、ひとりでウインドーショッピングしてるわけじゃないんですよ。これから仕事の打ち合わせに行くんです!」

という言い訳でした。

どうしてそんな風に思ったのかというと、

保育園はそもそも働いている保護者のためのものであり、保育園に預けることができるのは仕事をしている間だけ

という名目があったからです。

預けているからには、その間仕事をしなければ!余暇をとってはいけない、みたいな気持ちがあり、送ってからお迎えの時間まで、本当にパソコンにかじりついていました。

依頼される仕事がないときには、なんとか新しい仕事をとってこなくては!と躍起になっていましたし、お迎えに行く時には「なんで私、こんな思いまでして働いてるんだ。預けたりしないで子どもと時間を過ごせた方がいいのかもしれない。ごめんね」

みたいな罪悪感を感じながら、保育園に預けていました。

今考えれば、そんなに思い詰めなくても…て感じですよね。

そんな感じで最初の数年を過ごしていました。

遠くの親戚より近くのママ友

忙しい時期はどうしていたかというと、保育園で知り合ったママ友や、近所の同世代の子どもを持つ家庭と交流し、子どもを預けたり預かったり、ということを日常的にしていました。

実母や義理母に来てもらうことも、たまにはありましたが、ほとんどの場合、「近くのママ友に預ける」というやり方で乗り切ってきました。

私の住んでいるマンションは1階なのですが、小さい庭がありまして、お隣さんと鍵をかけずに行き来することができるようになっています。

両隣がちょうど同世代の子どもがいる家庭だったので、庭を通じてしょっちゅう行き来していました。

土曜日の朝には、親よりも早起きした子どもが窓をコンコン、と叩いてやってきて、朝8時頃から部屋の中で子ども同士遊びはじめていました。ついでにお昼ごはんを一緒に食べて、午後は一緒に公園に行く、という感じで兄弟姉妹のように過ごしていました。

とはいえ、毎週うちがよその子を預かっていたのかというと、そういうわけでもありません。 私の仕事は土日でも作業することが多かったですし、平日に打ち合わせで外出しなければならず、夫の帰りが遅い、という場合にはお隣さんに預けて出かけることもたびたびありました。

ただ目の前のことを必死にやっていた

振り返ってみれば、「仕事と育児の両立をしていた」というよりは、ただ目の前のことを次々と片付けていただけだった気がします。

しかし家事で手を抜けるところは、可能な限り抜きました。特に掃除はかなり疎かだったと思います。

子育て中に意識していたこと

  • 楽しく働く姿を見せる ⇒ 疲れた顔で「働きたくない…仕事嫌だなあ」という親の姿を見ると子どもは「大人って大変そう。ずっと子どものままでいたい。大人になりたくない」って感じてしまうんじゃないかなと思いまして、私は常に「今こういう仕事をしてる」「今日こんなことを覚えた」という風に具体的にどんな働き方をしているのかを伝えていました。
  • 子どもが興味を持ったものを一緒に楽しむ ⇒ 電車、アニメ、ゲームなど何でもいいのですが、その時子どもが興味を持っているものを大人も一緒に楽しむことで、新しい気づきや、普段思いつかない発想が生まれることがあり、それらが後々仕事に役立つことがたくさんありました。
  • 時々弱みを見せる・愚痴をこぼす ⇒ 「もうご飯作りたくない!」とか「今日こんな嫌なことがあってね…」など愚痴をこぼすと、子どもが助言してくれることもありました。

20年経って。まだまだ子育てし足りない

Image by Adobe Firefly

そんなこんなで怒涛の保育園・小学生時代を突っ走り、その後もずっとフリーランスの仕事を続けてきましたが、いよいよ区切りの節目がやってきました。

高校3年時、子どもが地方の大学に進学することが決まったのです。 「ハイ、子育て終了〜!!」の鐘が鳴ったような感じがしました。

人によっては「子育て卒業!これからは自分のやりたいことをやるわ!」ってなることも多いと思いますが、私の場合、もともと好きな仕事を好きなようにしている環境だったので、自由を満喫できる喜びよりも、子どもがいなくなる喪失感の方が大きかったです。加えて同時期に、飼っていた柴犬が4歳の若さで亡くなってしまい、夫とふたりで涙の日々を送っていました。

そんな中、公園のベンチに座ってぼーっとしながら、走り回る小学生を眺めていた時

「いいなぁ…またあんな風に、子どもと一緒に公園で走ったり、遊んだりしたいなぁ…」

次の瞬間、私はスマホで

「ベビーシッター 派遣」と検索していました。

派遣のベビーシッターを経て保育士資格取得

派遣会社のベビーシッターとして土日働いた経験を1年半ほど積んだのち、保育士資格を取得し、今年は「東京都子育て支援相談員」の研修も受けました。 いまはマッチングアプリや個人依頼で月に4〜5回のペースで依頼を受けており、保育の中でやれることの幅を広げています。

子育てできるか不安、という方へ

今の世の中、子どもを持たない選択肢を選ぶのも全然オッケーだと思います。

子どもを持ちたいと思っていても授からない人もいますし、 お金のこと、仕事のこと、考え出すと不安になりますよね。

私の場合、ひとりしか産まなかったから経済的になんとかなったというのもあるし、働き方や周りの環境に恵まれていたからやってこれた、というのは正直大きいと思います。なので他の方にはあまり参考にならないかもしれません。

ただひとつ言えるのは、

「子どもの見る世界を、すぐ近くで一緒に体験できる」

これは、ものすごく楽しいことで、新鮮な発見が毎日ありました。

少なくとも、私にとっては。

なので、産もうかどうか迷っている人がいたら、「きっと楽しいことがいっぱいあるよ!」と言いたいです。

そしてとりあえず、頼れるものは頼ってください! 家電でもベビーシッターでも、ご近所さんでも、助けてくれる人やモノはたくさんあります。 家事も子育ても完璧にしなくてだいじょうぶです。