何かを諦めなくてもいい。「選択」に迫られる全ての人たちへ【はたらきかたフェス2024セッションレポート】

2023年11月23日に、イベント「はたらきかたフェス2023」を開催しました。このイベントでは、ゲストをお呼びし、様々な「働き方」に関する考え方や経験を共有して、みんなで「働き方」について考えました。

この記事では、同イベントより、GINZA SCRTCH コミュニティマネージャー 小野 里佳様のセッション「何かを諦めなくてもいい。「選択」に迫られる全ての人たちへ」についてレポートします。

セッションサマリー

  • 様々な仕事、起業、子育てを経験し、同じように悩む人たちの相談に乗ったり、選択肢を増やすような会社経営・事業にチャレンジしている
  • 選択を迫られた時、悩む場合はまだ本気で欲しい・必要ではないかもしれない。本気で欲しければ、どうにか選択するはず
  • 以前に比べると、今は複数の選択肢を同時に選びやすくなってきている。本当に欲しいなら、「どちらも取るにはどういった方法があるか」を考えてみてほしい

セッション動画

セッション内容書き起こし

プロフィール紹介

  • Ginza Scratch コミュニティーマネージャー。Ginza Scratchは銀座にあるコワーキングスペースで、「起業家の志を形にする」がテーマ
  • 働かないと落ち着かない、というところがあり、高校に入ってすぐアルバイトを始め、30種類ほどの仕事を経験、さまざまな働き方に触れる。あちらこちらを行ったり来たりしている。働くのが好き
  • 通っていた高校は、実はアルバイト禁止だったため、クレープ屋のアルバイトが学校の先生に知られてしまったとき、クレープ屋をとるか学校を取るかという選択に迫られた。結果、通っていた学校を辞めて通信制高校に行く選択をした。仕事が好きというのもあるし、働いた分だけ自分が結果を得られるという経験に楽しさを感じた。学校で学ぶ以上に、現実の世界で学ぶ方が将来につながるのではないかと思い、そちらを選んだ
  • 何か一つのことに長けたスペシャリストではなく、色々なことに手を出してしまい、「これ」というものがなかなか見つけられないと感じていた。しかし、子育ても経験し、自分と同じように感じている人に対してアドバイスができるようになってきたと感じている。悩む人に相談された時に話を聞く立場になれればと思っている

どんなふうに選択をしていますか?

  • 選択をするときに悩む場合、悩んでいる時点でまだ本当に欲しい・必要とは思っていないのではないか。本当に欲しければ絶対に取りに行く、という性格のため、悩む選択肢は基本的に取らない。本当に欲しいものであれば、一生懸命どうにか選択するし、悩んでいるときは一旦冷静になって考えるようにしている
  • 複数のものを同時に欲しくなったとき、今は昔に比べると選択の幅が広がっている。例えば仕事と家庭の両立といったことや、子育てをする・しないといった選択。自分が起業した頃は、家庭に入るからには仕事を辞めなければならない、といった風潮があった時代でもあり、選択が難しく、その時は仕方なく辞めることを選択した
  • 企業勤めのときに妊娠し、育児をしながら起業した。会社に子供を連れてきて良い環境を作りたいと思い、自分で起業すればそれが実現できるという思いがあった
  • 今自分の会社にも女性が多くいるが、「必ず席は残しておくので帰ってきてくれ」という話をしている。今は働き方改革があったり、副業OKという企業が増えたりして、選択肢が広がってきている。自分が欲しいものと、欲しいタイミングとを合わせることができるようになったと思う

手に入れたいものと失うものを天秤にかけてしまい、決断できません

  • 例えば育休を取ることについて、一度自分の席を空けた後にまた戻れるのか不安があり、決断が難しい人へのアドバイス – 最近はそういう選択に対して社会が優しくなってきた。男性の育児休暇もとりやすくなった。人生一度きりなので、本当に欲しいと思ったらどちらもやる、という決断が一番良いのではないか
  • 選ぶことには怖さが伴う。しかし、何もやらないで後悔するよりは、やって後悔する方が良いと思っている。失う、やらないという選択肢の方が怖いと思う。どうにか社会と繋がりたいと思ってやってきた。会社としても、同じように思っている人がいれば手を差し伸べられるようにしていきたい
  • 鹿児島と東京を行き来しているが、鹿児島は東京に比べてまだ選択肢が少ない。銀座でコワーキングスペースの運営に携わってきたので、それを鹿児島でも展開したい。女性や就職に悩みがある方に集まってもらい、仕事を作ったり、技術を磨いていくようなコミュニティが作れたらと思って、チャレンジしている

質疑

  • Q. 企業で働く人の中には、結婚をしたくない人もいれば、子供を欲しいと思わない人もいる。もちろん欲しい人もいる。経営者として、どのようなアプローチを取ったら良いか。会社の制度として育児を応援することが、育児をしない人を応援しない、ということにならないか
    • 会社で飲み会などで集まるときには、家族を連れてきてもらい、「一緒に子育てをしているような感覚」を持ってもらっている
    • 結婚をしない、子育てをしない人たちも、それぞれに楽しみや好きなことがあるので、自由に休みを取ってもらったりと、プライベートが充実するように気にかけている
    • 育児をしている人の方が有利だよね、というような声は上がっていない。子育てもお金がかかることはわかっており、出産・育児に対するお祝いに対して差を感じる人はいない。一緒に子育てをすると、その子供たちのことを可愛く思い、そこに対して不満が生じにくいのではないか
  • Q. 趣味、学業、仕事、ボランティアの4つを全部同時にやった結果、中途半端になった自覚がある。天秤にかけても、なかなか選ぶことができない
    • 全部大切だから選んでいると思うので、それなら1つずつやっていけば良い。この世の中には無限に選択肢がある中から、4つを選んだと言える。それが楽しくなかったら選ばない。楽しいからこそ選んだはず
    • 普通は2つ天秤にかけて「どっちを選ぶか」と言う選択をするが、2つ選んでいる時点で選択はしている
  • Q. 家業を継ぐか、今のキャリアを取るかの選択もありそう
    • 兄弟が継がない家業を自分が継ぐか、と言う選択に迫られて、今の自分の仕事も好きだし家業も好き、という知人がいる。親は、縛られて欲しくないと思っていたりもする。その知人を見ていると、きっと両方やるんだろうと思っている
  • Q. 最後にメッセージをお願いします
    • 本当に悩むなら、一度2つともできないか考えてみた方が良い。どっちも取るにはどういった方法があるかを考えてみてほしい。せっかく人生一度きりで、人間いつ死ぬかわからないので、大事なものを選んでほしい

Asukaから

私自身、選択を前によく迷い、よく悩むので、「悩んでいる時点で本当に欲しいわけではないのでは」と言われた時にはハッとしました。確かに、実際に選択したものを思い出してみると、色々と選択肢を目の前に並べてみながらも、実は心が決まっていたような気がします。また、いくつかのものを天秤にかけた時の選択として、二者択一ではなく、両方(あるいは全部)取るという回答も、そういった可能性は確かにあるにもかかわらず、それができない前提で物事を考えがちであることに気づきました。

「できない」という思い込みを捨て、「それをするためにはどうすれば良いか」と考えることで、それまでは捨てていた選択肢を取れるようになるかもしれません。小野さんの言葉は、これからも幾度となく選択に迫られるであろう私に、指針を与えてくれたように思います。