英語でコミュニケーションを取れるように、英語が苦手な私がしていること

こんにちは、こんばんは!株式会社 mgn の大曲です。Webエンジニアをしています。

mgn には英語ネイティブの社員がいます。私を含め日本語ネイティブの社員のほうが人数が多いため、お互いに一生懸命コミュニケーションを取っています。それをサポートするために、mgn のための Language Policy というものもあります。

私はそこまで英語が得意ではありません。今回はそんな私が、3つのトピックについて紹介していこうと思います。

  • 現在の英語力について
  • mgn の Language Policy について
  • 英語でコミュニケーションを取るためにやっていること5つ

どれくらい英語が苦手なの?

最初に、私の英語レベルについてお話します。

私は最終学歴が高卒のため、英語を学んでいたのは十年以上前の高校生まで。学んだことは大半が消えかけの状態です。持っている資格は中学生のときにとった英検準ニ級のみ。海外旅行は何度か経験しましたが、家族で行くことが多かったため、現地での会話は父に任せっきりでした。 また、3歳から高校生まで英会話教室に通っていました。12歳のときには1ヶ月、アメリカでホームステイをしたこともあります。すごいことのように聞こえますが、実際は電子辞書を常に持ち歩き、ジェスチャーで会話をしていました。

結果、今の私の英語レベルはこんな感じです。

  • ヒアリング:積極的に聞こうという気持ちはあるが、知らない単語が出てきた瞬間撃沈
  • ライティング:簡単な単語でもスペルが曖昧
  • スピーキング:簡単な単語を並べた、文法も何もない英語ならギリギリ話せる
    • 文法に気をつけようと思うと押し黙ってしまう
    • 最悪ジェスチャーでどうにでもなるという気持ちがある

お世辞にも英語が得意とはいえないということが分かっていただけたと思います。 唯一の救いは、英語でのコミュニケーションに対して拒否感を持っていないことです。

mgn のための Language Policy ってなに?

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では、急に出てきた “mgn のための Language Policy” とは、いったいなんでしょう?

前述の通り、mgn には英語ネイティブの社員がいます。2023年12月現在は1名。日本語ネイティブの社員はその10倍以上います。 英語ネイティブの社員は、簡単な日本語であれば話したり聞いたり書いたりすることができます。ただ、難しい日本語や漢字、早口な日本語の理解は難しいそうです。日本語ネイティブの社員は人によって様々で、ネイティブのように英語を話したり書いたりできる社員もいれば、簡単な英語なら話せるという社員もいます。

問題は、英語と日本語のパワーバランスです。1 : 10 という、日本語のパワーが圧倒的に強い状態があります。 ネイティブ言語を利用したコミュニケーションのほうが楽ですよね。何も気にせず日本語ネイティブの社員が日本語ばかりで会話し、英語ネイティブの社員に話しかけるときだけ英語を使うといったことを続けると、どういった問題が発生するでしょうか。私は英語ネイティブの社員の立場を想像すると、心がキュッとしめつけられます。

そういった、心がキュッとしめつけられるような状況をなるべく回避するために、「どういうとき、どういった方法で、どの言語を使うか」という指標をまとめたものが、“mgn のための Language Policy” です。

抜粋した内容はこんな感じです。他にも項目があったり、注釈があったりもします。

  • なるべく英語で話すようにしましょう
  • 日本語と英語を混ぜて話したり、併記したりしましょう
  • ミーティングで話した内容はなるべく文章化しましょう
  • 会話に参加できていない人には積極的に声をかけましょう
  • サポートしたり、励まし合いましょう

社内向けの Language Policy で、強制されるものではありませんが、社員全員がこれを常に心に留めています。状況に応じてアップデートもされています。

私はこの Language Policy に賛同し、英語が苦手なりにできることを頑張っています。

英語でコミュニケーションを取るためにしていること5選

Language Policy に賛同しているが、英語レベルは低い私。最初の “なるべく英語で話すようにしましょう” が最難関です。そんな私が Language Policy を参考に、英語でコミュニケーションを取るためにしていることを5つ、具体的に紹介します。

1. 翻訳ツールを駆使する

初っ端からそれなの!?という内容が飛び出しましたね。でも、もちろん使います。

私が利用しているのは DeepL です。これをいつもブラウザのタブとして用意しています。

書いている最中は、英語の学習も兼ねて利用します。 入力する日本語は極力簡単で簡潔な内容にし、翻訳結果は必ず再翻訳します。また、主語が想定と違うことがあるので、そこだけは手で調整したり、日本語側に主語を追記したりしています。 翻訳結果の英文も必ず読むようにしています。知らない言い回しや単語がたくさんあったり、こんな言い方もあるんだと気付きが得られたりします。

話している最中はこんなに優雅に利用できません。 「あー…〇〇…〇〇… Sorry, I’ll translate…」と言いつつ、すぐツールに入力します。そして、出てきた翻訳結果をとりあえず読み上げます。いくつか候補が出てくるので、候補もなるべく読み上げるようにしています。読めないときは読み上げ機能を使います。 受け手側も翻訳中であることを理解できているので、結果が出てくるまで待てますし、候補まで読み上げるので最低でもニュアンスは伝わります。

2. 話すときに日本語と英語を混ぜる

私はなるべく英語で話そうとしますが、英語でなんと言ったらいいかわからないものがたくさんあります。正しい文法を思い起こすのに時間がかかることもあります。特に会話中は焦ってしまって、分かっているはずの言葉が出てこないこともたくさんあります。

そういったときは、簡単な日本語を混ぜてゆっくり話すようにしています。文法がめちゃくちゃでもいいので、単語を並べて伝えたいことを伝えます。イメージは “ルー語” です。 「I think you can 読める more ゆっくり」いい感じの例が出てこないですが、こんなイメージです。恥ずかしいですが、これがコミュニケーションの第一歩だと割り切っています。

ありがたいことに、mgn の英語ネイティブの社員は、簡単な日本語をゆっくり話したり、簡単な日本語を混ぜて話せばたいてい理解してくれます。ですが、日本語ネイティブが簡単だと思っている日本語がすべて伝わるというわけではありません。日本語の割合が多くなってしまったときは、伝わったかどうかを聞いてみるようにしています。

最後に、単語を並べ立てて話した後には必ず自分の中で反省会をします。落ち着いて考えると、正しい文法はこうだったとか、正しい単語はこうだったとか、いろいろ出てきます。落ち着いて考えてもわからないときは翻訳ツールで調べたり、英語ネイティブの社員に正しい言い方を聞いたりしています。

3. 書くときに日本語と英語を併記する

mgn はフルリモートの会社です。そのため、休憩を取るという小さな連絡から、仕事に関するやり取りまで、多くのコミュニケーションが Slack 上で行われています。他の会社と比べて、雑談もとても盛んに行われています。

Slack など、テキストでコミュニケーションを取る際は、日本語と英語を併記するようにしています。簡単な文章なら英語だけを書くこともあります。

日本語と英語を併記した例
日本語と英語を併記した例
休憩から戻ってきたことをコメントし忘れていました

ミーティングの議事録には Google ドキュメントや Notion を利用しています。こちらも日本語と英語を併記しますが、私ひとりだけで書くのではなく、社員全員で共同編集します。 誰かが日本語で議事録をとれば、それを翻訳した内容を他の誰かが追記して、最後には併記された議事録の完成です。その場で翻訳ができなくても、後から翻訳結果を書き足すこともあります。

Language Policy に則ってこういったことをしているわけですが、とても勉強になります。併記されていることで、どこがどんな英語に訳されているかが一目瞭然になります。 また、他の社員の英語を見て学ぶことがあったり、時々フィードバックをもらうこともあります(言い方が違うとか、もっと自然な言い方があるとか、他にもこんな言い方があるとか)。何度も見たり書いたりする言葉は頭に残ります。 ちょっとした雑談であっても英語を併記することで、英語でのコミュニケーションを常に意識付けすることもできています。

4. 英語を学習する

英語のスキルが何もかも足りていない私なので、もちろん英語の学習もしています。

何度も英語でコミュニケーションを取っていく中で、私にまず必要なのは英単語を覚えることだということが分かりました。ヒアリングでは知らない単語が出てくると撃沈、ライティングではスペルが曖昧で、スピーキングでは単語を知らないと並べ立てて話すこともできません。そのため、懐かしの英単語帳に手をのばしました。

といっても、紙ではなく電子版を使っています。具体的には Nintendo Switch の 英検®スマート対策 を使っています。これを毎日、少しずつ進めています。 念のため 5級から始めましたが、ひとつだけ知らない単語がありました。“P.E.” これ、ご存知ですか?答えは “physical education”、体育です。 5級から始めてよかったと思った瞬間でした。

他にも、mgn では週に1回30分ほど、英語ネイティブの社員が英語のレッスンを行ってくれています。中学生のときに習った内容がほとんどですが、大半が消えかけている私にはとてもいいレベル感で助かっています。悩むこともありますし、当時習っていた内容が、実はあまりよくない言い方であったケースも。 英語ネイティブの先生から英語を学ぶことはとても大事だということを実感しました。mgn では社内でこういった機会を設けていますが、そういった機会のない会社もたくさんあると思います。最近はオンラインで英語ネイティブの先生からレッスンを受けられるようなサービスもたくさんあるので、そういったものを利用するのもよさそうです。

5. 恥ずかしがらずに話す

結局のところ、これが一番大事かもしれません。どんなにめちゃくちゃな英語でも、話そうとしなければなにも始まらないのです。

英語が得意ではない私にとって、英語でコミュニケーションを取るときには、以下のような心配事があります。

  • 英語でなんて言ったらいいか、なんて書いたらいいか分からない
  • スムーズになんて話せないし、押し黙ってしまうと待ってくれているみんなに申し訳ない
  • 記憶を頼りに使った言葉が間違っていたらどうしよう、誤って伝わったらどうしよう
  • 嫌な気持ちにさせるような言い方だったらどうしよう
  • こんな下手な英語を話して、笑われたり、バカにされたらどうしよう

こういった気持ちを抱えたまま、英語でコミュニケーションを取るのは大変です。疲れたりもしましたし、後悔することもありました。 でも、大変なのは最初だけでした。何度も一歩踏み出すことで段々と慣れていきました。笑われたりしないことも分かりました。心配事が完全に消えたわけではありませんが、今ではこれらが障壁になって、英語でのコミュニケーションを諦めることはありません。

翻訳ツールを携えてチャレンジしてみましょう!でも、心が疲れているときは無理をしないようにしましょう。英語でのコミュニケーションが億劫になってしまわないように、楽しめる範囲でチャレンジしましょう。

まとめ:なぜこういうことをしているのか

「別に、無理に英語でコミュニケーションを取ろうとしなくてもいいじゃないか。日本語ネイティブの社員のほうが多いんでしょう?」そういった考えもあると思います。 私も最初はそういった考えの持ち主でした。どうせ日本から離れることもないだろうし、英語は翻訳ツールに頼れば大丈夫だし、別に積極的に使わなくてもいいや、学ばなくてもいいやと思っていました。

でも、英語ネイティブの社員の気持ちを理解し、Language Policy に沿って努力することで、考え方が変わってきました。なにより、英語ネイティブの社員とのコミュニケーションはとても楽しいのです。話せば話すほど全然知らない世界が開けていく感覚が、もっともっといろんなことを話したいという気持ちに繋がっていきました。 日本語の〇〇という言葉は英語にはない言葉だとか、英語の〇〇という言葉は日本語にはない言葉だとか。普通の雑談すらも、英語でコミュニケーションが取れると謎の達成感があります。そして、大事な大事な前提として、私は英語ネイティブの彼女のことが大好きなのです。今ではオフラインの集まりの際には、私が彼女の隣をほぼ独占しています!笑

業務上でも、英語の理解は役に立ちます。エンジニアをしていると、英語のドキュメントを読まざるを得ない機会がたくさんあります。英語でしか得られない情報もたくさんあります。ブランチ名だって、関数名だって、その関数の説明文だって英語です。 今はまだ翻訳ツールに頼ることが多いですが、頼らないことが多くなればなるほど、仕事の効率は上がっていきます。

Image by Adobe Firefly

“少しずつでもできることをして、自分の世界を広げたい” これが、今の私の原動力です。

この記事をここまで読んでくださったということは、英語が苦手でもコミュニケーションを取れるようになりたいという気持ちがある方だと思います。ぜひ、一歩踏み出して、あなたの原動力を見つけてみてください。そして、一緒に頑張りましょう!

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。